餅米の無洗米があれば、餅つき行事を続けられる。

子どもの幼稚園は、季節行事をとても大切にしています。最近は、『お正月に鏡餅を飾らない』『七夕かざりを作らない』『月見団子の存在すら知らない』というご家庭が増えてきて、風情を味わう機会が減っています。そうした時代の流れに諦めず、先生方は率先して、日本のすてきな光景を子ども達の心や記憶に刻んでくれています。

特に大きな行事は、保護者も協力を求められます。パパまで借り出される行事といえば、餅つき。伝統にならって杵と臼を使い、園庭に簡易かまどを設けて焚き火で餅米を蒸します。薪の燃える匂い、ぽんぽんと餅をつく音。寒い時期に行われる行事ですが、子どもたちは目をキラキラ輝かせ、北風なんのそのとはしゃいでくれます。

ところが裏方の保護者は、意外と大変な作業に目が回り、翌日は体のあちこちがガタつくほど。特にママたちが音を上げるのが、餅米の下ごしらえです。何十キロもの餅米を、園庭の手洗い場に集まって、冷たい水でひとざるずつお米を研ぐ。一度の量が多いため、やり慣れているはずの作業がうまくいきません。

幼稚園の恒例行事のため、手伝いに関わる保護者の考えや感想は、毎年違います。辛かった体験談が広まってしまうと、翌年度はお手伝いママの人数が定員に届かず、中止するしかない?にまで追い込まれることも。子ども達には行事を残してやりたい、けれど保護者には負担を負わせたくない。このジレンマを解決してくれたのが、餅米の『無洗米』でした。

無洗米の存在は知っていても、餅米タイプは近所のスーパーでは見慣れません。「通販で調べてみる?」と、1人の役員ママの発言をきっかけに探すところからスタート。驚くほどすぐに見つかり、そのうえ価格も普通の無洗米とそれほど変わりません。しかも品種で選べるようラインナップされていて、産地で選べる餅米もありました。

そして最も気になるのが、おいしさ、です。こればかりは試食しかないとまず5キロだけ購入し、役員さんのお宅で蒸しました。水をたくさん吸う餅米です。洗米作業のあるなしで、味が左右するのではないか、という予想も多く出ました。そして裏切られました。普通の餅米との違いがどこにあるのか、まったく分からないほど、炊きあがりのツヤ、色、ねばり、香り、風味、まずそのまま美味しく頂けました。ボウルとすりこぎで、炊きあがった無洗米をつくと、普通にお餅ができました。

「今度の餅つきから、無洗米を使います」と、そのアナウンスが効いたようで、お手伝いの定員はすぐに達しました。大量買いしても通販なので、幼稚園へ直接届けてもらえます。行事の当日、ついてくれたパパたちに、「これ無洗米よ」と話してもピンと来ませんでしたが、「この餅米洗ってないのよ」と言い換えると、「え!」と驚かれる場面もありました。

時代の変化が早すぎて、昔ながらのよい習慣や伝統がどこかおざなりになっている昨今。季節行事は、四季がある日本ならではの美しい文化だと思います。便利なものをどんどん取り入れ、活用し、大切なものごとは子ども達の時代に引き継いでいきたい。そのために、便利さはあるのでは?、と無洗米を通して考えさせられました。